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2020-04

追憶・F書店/記憶や写真の優位性 - 2011.08.24 Wed

夕方駅前に出た際、F書店を覗きに行くと、既にシャッターが下ろされ、看板は外されていました。 
それまで看板のあった空間にそれがなく、壁が直に現れているのを見た時、あの見慣れたご主人はここにはいない、という現実を突きつけられた気持ちになりました。 しかし本当にそれを実感するのは、この建物に別のお店が入った時か、この場所が更地になる時だと思います。

個人のお店なのでこれまでイニシャルでの表記を貫いてきましたが、既に無くなってしまったので実名を書きますと、フミヤ書店。

2011052517000000.jpg

この写真は今年の5月25日に撮影した物で、すでに閉店セールをしていましたので通常の姿ではありませんが、それでもほんの数日前まで、70年以上もの間変わらずそこに在りました。

そして今日の夕方撮ったのが下の写真です。

2011082418230000.jpg

道に面した入り口にドアはなく、夏の暑い日も扇風機ひとつで、雪の降る冬の日は電気ストーブとジャンバーで接客を続けてきたこの書店を、恐らくこの地域に住む全員が、永劫ここにあると信じて疑わなかったと思います。
そして今、眼の前に物質としてのソレが無いにも拘らず、記憶の中ではソレは在り続け、写真の図像はソレが在った時を保持し続けています。
その時、記憶や写真の優位性がありありと立ち上がってきます。

世界は、二度と来ない一瞬一瞬が積み重なって出来ています。それは個々人の生涯でも、同じ。 写真はその無二の一瞬を切り取れます。ダラダラとした日常の中に確実に在る輝かしい瞬間。
写真は、想い出は、その人にとっての価値は、すでにこの世にない実物を、遥かに凌駕している。写真は単に図像を再現しているのではない。想い出を焼き付けている。

二度と再現されない現象、他愛もない日常、その中での個人的な発見や感動の数々。
語れる過去が多くある人生は、満ち足りた人生と思います。

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プロフィール 

安冨 洋貴 (ヤストミ ヒロキ)

Author:安冨 洋貴 (ヤストミ ヒロキ)
★ 画家・日本美術家連盟会員
夜の心象光景を鉛筆で描いています。 下の「カテゴリ Category」に、略歴、作品画像など詳しく在ります。

★ 作品のご用命、お問い合わせは、下の「メールフォーム」、または
東邦アート株式会社(03-5733-5377 http://www.tohoart.com/)へ、お願いいたします。


【フォンテーヌ絵画教室・開講日】
3月3日 (火)
3月17日 (火)
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【掲載】
● 平成31年高校3年教科書「美術3」
(光村図書出版株式会社) の、「鉛筆の可能性」の頁に、作品「雫の器」を掲載しています。
詳細は↓こちら↓。
https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k_bijutsu/31bi/index.html


【論文・紀要】
● 電子書籍 「洋画1 素描と絵画」
(京都造形芸大 東北芸術工大 出版局)の、第2部・第一章に、「鉛筆による静物画表現」 を著述しています。
詳細は↓こちら↓。
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